家についてからの蚕の様子は明らかに変だった。 偏頭痛のせいか、はたまた冥城雪という奴のせいか。 唸ってウザイのでその日はさっさと寝かせた。 //SLAUGHER★MENS//13,突然 車のクラクションの音で目が覚めた。 枕元の時計を見ると、既に10:30 完全に遅刻。 まぁ良いか、と思いゆっくりと身体を起こす。 恐らく、アイツはまだ寝ているんだろう。 でなければ、こんな時間に俺がここにいるわけがない。 案の定、リビングに行っても静まり返っている。 最近は見なくなった光景。 それというのも、アイツが来てからは信じられないほど毎日がうるさい。 迷惑極まりないのだが、多少慣れている部分があるのも嘘ではない。 顔を洗ったついでに、アイツの寝ている部屋へ向かった。 遠慮も何もなく、ガチャリとドアを開けた。 昨日とは打って変わって、スヤスヤと熟睡している。 もう偏頭痛は回復したのだろう。 「オイ、起きろ。」 何の躊躇もなくベッドから蹴落とす。 「ぬぅあぁッ!!?って、ちょ、え、な、何事!?」 「朝だ。」 「あ、あぁ…朝ね…って、起こすならもっと優しくしてよッ!」 「うるさい。」 そう言って、俺はスタスタとその場を後にした。 後ろから小さく、アイツの声が聞こえたがこの際気にしない。 その後、いつものようにアイツにバイクを出させて、学校へ向かった。 『朝ご飯ないから、おにぎりぐらい持ってかないとお腹減って死んじゃうよー!』 とか何とかアイツが騒ぐから、結局学校に着いたのは11:25頃だった。 適当なところにバイクを停め、お互いにクラスへ向かう。 階こそは同じではあるが俺はA組でアイツはD組だ。 実際、なかなかの距離がある。 昇降口を過ぎ、階段を上がっていく。 その間に、アイツは朝作った例のおにぎりを食べていた。 「來羽、ホントにおにぎりいらないのー?」 「米は好きじゃねぇって言っただろ。」 「お腹減らないわけ?俺ご飯抜くとダメになるタイプだからさー。」 あははっと笑う。 「見るからにそうだな。お前は。」 「…それ、結構俺のこと馬鹿にしてるよね。」 「理解できる脳みそあったのか。」 「ひでぇー…」 「飯抜くぐらいどーってことない。」 「ソウデスカ。ってかさー随分と中途半端な時間だよね。」 「お前がそんなん作ってるからだろ。」 「まぁまぁ…。とりあえず、授業終わるまでどうする?」 「……何で俺がお前と一緒に行動しなきゃなんねェんだ。」 じっと、蚕が俺を見てきた。 「え!そんな、今更ですか!?」 「俺は屋上でフケる。」 「しかもシカト……んじゃ、俺も行くー。」 「ついてくんな。」 「いーじゃんかぁー!別に他に行くとこないんだもーん! ……って、ちょっと!置いてかないでよッ!!」 蚕をシカトして屋上へと辿りつく。 普段は閉まっているのだが、ここの屋上の鍵にはとある細工が施してあり、 ちょっといじると開けれるようになっている。 恐らく、何年も前の生徒がやったのであろう。 こんなコトを知っている人間はそう多くは無い。 恐らく、教師は誰も知らないだろう。 しかし、何分、殺人という行為をしているために知識は自然と身についていた。 「………ここの鍵って開くの!!?」 「お前、知らないで今まで屋上でフケってたのかよ。」 「いや、俺は職員室からパクった鍵持ってるから。。。」 ある意味、そっちの方がすごいと言うべきなのか…。 というか、さすが馬鹿犬だと思う。 そんな奴が殺人してるなど、誰も想像はつかないだろう。 結局、タバコをふかすだけで鐘は鳴り、教室へ戻ることになった。 「…ぁ、遅刻したら先に職員室に行かなきゃいけないんだっけ?」 「じゃぁお前が行け。」 「俺だけ!?やだぁー!」 「お前が起こさないのが悪い。」 「え、遅刻俺のせいですか!?」 ドンッ 「―――ッ!?」 「來羽ッ!」 曲がり角で、誰かにぶつかられた。 その衝撃はものすごいものがあって、俺はよろめいた。 俺に突撃して来た相手に至っては、床に転がっていた。 「あたたーッ!っと、すんませんなぁ…ケガしとらんですか?」 ぶつかって来た相手は、よっこいせと言って立ち上がる。 「なッ…」 蚕の驚いている顔を見て、何事かと思った。 が、次の瞬間にすべてを理解した。 見覚えのある明るい金髪 無数のピアス 「んー…?あれ!何やぁ、お2人サンやったんか!随分、探したんやでー?」 そう、そう言って笑っていたのは 「冥城雪――…!」 ----- はい!お久しぶりです!(死 13発目、水無月がお送りしました。 えへへ…ご、ごめんなさッ…orz とりあえず、テストが明日です。(ぇ 06/07/02 |