「ねぇ、戸塚君。もし、人間を殺したとしたら、楽しいと思う?」







アイツは楽しげな表情をして、オレに聞いてきた













あまりにも楽しそうだったから





「…めちゃくちゃ楽しいと思う。」









笑顔でそう答えてやったんだ



















//SLAUGHER★MENS//2,愉快

















「...チッ、んだよシケてんな。」



銃を向けた相手は血を流し、グッタリしていた

もう、ほっとけば死ぬ。もしくは死んでる。


だけど、なんだか今日は殺した感覚がなくて、もう一発食らわせてやった。




あぁ、チクショウ

もうちょっと痛みに耐える顔を拝んでやりたかった




殺すのが早すぎた






そんなことを思いながら、咥えていたタバコの灰を落とした



いつもと同じ











「らーいはっっ」






暗闇には似合わない、明るい声が響く


そうだった、コレはいつもと違う












後ろを振向き、とんできたヘルメットをキャッチする






「うわッ、何アレ!多量出血ッッ!!」

「血がイチバンでるとこ狙ったからな。」



じゃぁ、頭か。などと言いながら死体を眺めていた








バイクの後部座席にまたがる




さっきまで、人間の叫び声と銃声しか聞こえなかったからか、

バイクのエンジン音がやけに心地よい



このバイク、確か“Speed Four”といってただろうか

色はネオンブルー


コイツに良く似合ってる





「おい、犬。バイク出せよ。」

「犬...!?オレ、蚕っていう名前があるんですけど!何、新しいプレイ?!」

「...蚕、バイク出せ。」

「よし、まかせろっ!」



素直で忠実 ( 自分にだけらしいが )




やっぱり犬じゃないか

なんて事は口にしないでおく



「行き先はどちらでしょー」

「自宅。タバコ吸うからゆっくり走れな。」

「はいはい。」


バイクほどスピードがあると、煙草なんか吸えたもんじゃない



お気に入りの煙草をだして、火をつける












「あのさー。」


「なんだよ」

「よくオレとつるむ気になったね。」


「...別に。なんとなく。」


「ふーん。」








バイクのペースはゆったり



深夜だから、車もあまり通らない





少々生暖かい風があたるが、いまはそれも気持ちがいい










「そういえばさ、バイク持ってないの?オレに迎え頼むから、びっくりしたよ。」

「バイクは持ってる。でも、面倒だからたまにしか使ってない。」

「へー。どんなの?」

「Ninja ZX-12R 。黒いの。」

「ほー。それからさー。」

「んだよ。」

「その煙草なんてーの?」

「・・・ジョーカー。」

「あぁ、甘い匂いするよねソレ。」

「お前のは。」

「アルファ・ボックス」



それも充分甘かったはず。







「でさー」

「まだ、なんかあんのか。」






よくネタがつきないな


少し関心してしまう












「家どこ?」










「.....そこ右曲がってすぐのマンション。」

「右ねー・・・」




 

右を曲がると高級マンション


チラホラと明かりは見えるが、さすがにもう寝ているんだろう

殆どが真っ暗


大きさもなかなか






「でっかー・・・」


「サンキュ」

「あ、いや別に良いよ。」




「・・・・」







バイクを降りると、ふと気付いた











「・・・ん?何?」


「お前、」



















「血の匂いがする。」



















「え、マジ?んー、今日は平気だと思ったんだけどなぁー。。」






無邪気で





「まぁ、いっか。今日は結構楽しかったし。」








ホントに楽しそうに笑いながら言うもんだから




















俺はお前の事が、心底気になって仕方ない






















「おい。」


「ん?」




「家上がってけよ。」


「え、マジに?ヤッタ!」






ヒトに興味を持ったのは久し振りだ















それに、







お前のソノ笑顔は嫌いじゃないさ















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二発目、悪戯が失礼しましたっ
 

今回は、あの店で急激に親しく(?)なった二人

それにしても、無理あるだろとかいわない。

それに大丈夫!!だって次は水無月チャンだから..!(ひとまかせ)


あぁ、次が楽しみだワ。笑










05/8/3

WrittenBy 悪戯