「父親殺しねぇ・・・」


「なに、意外?」


「いや、安易に想像できる。」


「うーわッ、なんかそれはそれでイヤ。」







父親を殺す





普通に考えたら、容易くできる事ではない



それをコイツはやった





なんというか、コイツはホントに俺の期待を裏切らない






少しでも俺に近づこうとした事を感謝するよ



“蚕”という存在に、まだ興味が薄れないんだ





あぁ、本当に久し振りだ


俺は、それだけでゾクゾクするぜ?









//SLAUGHER★MENS//4.狗と嫌味










「ねー、來羽。」

「んだよ。」

「この酒ナニ。」

「アンバサダーだ。クルエボ・エスペシャルとオレンジジュースとシュガーシロップを混ぜたカクテル。」

「なに、クルエボってこのあいだ來羽が飲んでたテキーラ?」

「あぁ、本当はストレートがいちばん良い。だがカクテルベースでも文句ナシの味だ。」

「へー、いろいろあるんだ。」

ゴクッと音を鳴らして、ほとんど飲み干した

「うまー」


そんなにおいしかっただろうか


俺のはストレート


(外見的に)甘そうなのが好きそうだったから、カクテルにしてやったが..


まぁ、気に入ったのならソレはソレで良い








「でもブラックウッズちゃんには負けるナッ」





あぁ、そうだ



コイツはウォッカだった


この前、バーではじめて会ったときウォッカを飲んでいたのを思い出した




「ブラックウッズね。。飲むか?」

「へ?あんの?!」

「この前、確かもらった。」

「もらったの?!何でッ!」

「さぁ?何でもらったかなんて覚えてねぇよ。てか、1800円ありゃ買えるぞ。あんなん。」

「あんなんいうなよ!てか、学生に1800円は高額だからッ!!」

「税込みで1780円だ。」

「だから、高いって!!」


たかが1800円でゴチャゴチャとうるさい奴


実際、ホントに覚えてないのだが、確かブラックウッズのウォッカが珍しかったからだ

ジンのブラックウッズはよくみるのだが、ウォッカはあまり見なかった

あくまで、自分の中で。だが





「その前に風呂はいれ。血ぃクセェ。ウォッカは寝酒にしとけ。」


「え....いいの?」

「クセぇからだよ、早く行け。」

「クサイって連呼しないでヨ!!いや、だって...」

「なんだよ。」

「風呂借りるうえに、寝酒ってことは寝る前の酒だから泊まるってことで...」


「・・・・」







少し申し訳なさそうな顔をして




目線を下におくる










ったく...







「オマエ、そういうとこキモいな。」



「・・は?」



「下手な芝居ヤメロって言ってんだよ。気色悪ぃ。」



てか、家に入ったときから帰る気なかったろ、オマエ。




だいたい、キャラの選択を間違えてる


遠慮とかそういう言葉しらねぇクセに、ムリに使うからだ






「・・・・・・・・・・・やっぱだめだ。」



「何が。」


「俺のオシバイ。」


「ヘタクソ。」


「はは、そんなこと言うのアンタくらいだ。」






試した



というより、バレるのを待ってたな



アホが







「んじゃさー、ついでに明日の着替えとか貸してくんない?臭いでしょ?」

「調子のんな。殺すぞ、犬。」

「ちょ、待って!銃はナシッ!!良いでしょ、着替えくらい!だって学校だよ?!てか、また犬って!」

「・・・身長が違う。サイズも相当でかいぞ。」

「ムッ。ちょっとくらいでかくても平気だし!ファッションだし!!」

「あっそ。じゃーそのへん置いとく。試しに着てみ。」


身長の違いを嫌味たっぷりに言ってやる




「だぁー!!身長欲しー!!」




そう叫びながら風呂へ入っていく


もう夜中なんだから近所迷惑だ

ヤメテ欲しい




とりあえず、着替えを用意してやると約束してしまったので、

ソファを立って、部屋に向おうとする



「たく・・・アイツに合う服なんかねぇっつの。」




ゴトッ




何かがソファから落ちた


「...?」



携帯だ


でも俺のじゃない


蚕のだろう



「普通、置いてくか?」

風呂場に行くとしても、他人の家だぞ?



「・・・・・・犬。」



そうだ。と思い出したように、携帯を勝手に開く


「・・・・・コロねぇ」

つくづくネーミングセンスを疑う



それにしてもやっぱり良い。



柴犬か...


素朴で忠実、賢い。小さいながらも勇敢。

確かそんなことを誰かが言っていた



「そっくりじゃねぇか。」






ちっさくて犬みたいな奴



だが、その小さい身体をつかって


何人ものヒトを殺している




賢い。はどうかと思うが、勇敢といえば勇敢だろう



なにせ、父親を殺してる




犬というより、狗か







「ペットが飼い主に似るというより、飼い主がペットに似てるな。」



携帯をとじて、改めて部屋へ向う



黒が入ったような赤い、色シャツをとりだした





まるで血の色




アイツにはこの色があってる





Tシャツもあるにはあるのだが、生憎洗濯中

アイツはシャツなんて着ないんだろうが、しょーがない

多少違和感はあるだろうが、我慢させる

だいたい、ここまでしてやる義理は元々ない

ただ、約束してしまった以上どうしようもないだろう



「にしても・・・アイツホントにちっせぇからな。。これ着れんのか?」


色だのシャツだのの前にサイズの問題だ




まぁ、どうにかなるだろう


でかけりゃ、腕をまくれば良い






そんことを思いながら、リビングへ戻り、ソファへシャツを投げる









ここまでやってやったんだ






明日はまた足でもさせるか































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四発目、悪戯っしたー。

とうとう、泊まりました。えへ☆(誰)

前回、軽く來羽のイメージを要望どうり崩してくれたので、軽く戻しました。笑

いや、ホントに軽く。

ちょっぴり來羽が口数増やしました。えへ








05/08/07

WrittenBy 悪戯