來羽が自分のバイクで行くって言うから、

今日の朝は、俺が先に來羽の家を後にした。

だって、ほら。





來羽は2人仲良くバイク通学とかいうのは、






嫌がりそうだなって思って。

















いや、ぶっちゃけ先に行ってろって言われただけだけど。


















//SLAUGHER★MENS//9,染まる

















周りの接し方が、少し変わって来た。

気…が、する。

俺が來羽によく声をかけるからかもしれない。

というか、理由は絶対にそれに違いなんだけどね。



無駄な愛想笑いをしなくて済むから、俺にとっては好都合。



來羽も、何だか俺が学校で話しかけるのも慣れたみたいだし。

何て考えながら、廊下を歩いて、とある教室の前で止まる。







「らーいーはー。あのさー、電子辞書かしてくれない?」









そう言いながら教室へ入る。

もちろん、蚕くん特製のこれでもかという笑顔も忘れずに。







「……気持ち悪ぃって言ってんだろ。嫌だ。」


「おーねーがーいーッ!」






ぐいぐいと來羽の肩を掴んで揺らす。

普段だったら、"ジャキッ"って銃が出てくるけど

ここは学校だから、たぶん、平気。

…たぶん、ね。






「てめぇの取り巻きに借りれば良いだろうが。」


「授業で使うんだもーん。みんなクラス一緒だからさ。」


「どーせ真面目に授業受ける気ねぇだろ。」


「あ、バレた?」


「……お前、家帰ったら覚えてろよ。」


「ゴメンナサイ。本当にゴメンナサイ。だからそれだけは勘弁して下さい…。」







結局、來羽は貸してくれなくて、

教室を出て行こうとした時に、女の子が寄ってきて、貸してくれた。







もちろん、俺は授業を聞かずに、クラスの奴らと変な言葉入れて、借りた辞書で遊んだ。











































握った拳が、熱い。







火傷したみたいに、ヒリヒリと感覚が麻痺して、






それとともに、濡れている感覚。







汚い。








あぁ、また、派手にやってしまった。

來羽に会う前も、こんな殺し方をしていた気がする。

何だろう。前兆ってヤツ?






「そうだったら、おもしろいな。」






そう1人で呟いて、笑う。







どうして、俺の手っていつも赤いんだろう。

たぶん、來羽は人を殺すのにこんな風に手を汚したりしないんだろうな。

何時だったかのように、俺は両手を見つめる。




俺は血が汚くて嫌いだけど、來羽は血を綺麗だと思ってて、それでも、手を赤く染めたりはしない。




殺し方の問題にあると思う。




俺は基本、ナイフを使うか、メリケンサックを使うかする。

メリケンサックというのは、人を殴るときに指にはめる金具。

金具が当たったら、痛いでしょ?

痛いってコトは、相手にダメージを与えられるってコト。





それに対して、來羽が基本使うのは銃。





俺は、銃はあまり使わない。

何故か。理由は簡単、銃声が響くから。



俺は來羽みたいに頭の回転は早くないから、証拠を消すのは上手くない。

だから、銃声みたいなのがあると、人がすぐ寄ってきちゃうから

俺には向いてない。








だから、俺はこんなに赤く染まっていくんだ。

汚い。





俺って、汚い。






何とも言えない、ムカムカとしたキモチが込み上げて来て、

俺はまた、人間だったそれを殴った。

血が服にはねる。

じんわりと赤に染まる。

殴った反動で右手がビリビリとしてくる。

けど、俺はその行為をやめない。

やめれなかった。














そうして、暫くしてのことだった。













息が切れ始めて、呼吸がままならない。









苦しい。








頭が、ガンガンする。




痛い。



痛い。



痛い。





ドクン、ドクンという音が頭の中に響く。


今にも頭が爆発するんじゃないかというくらいに、痛い。











「……っくしょ…んな時、に…」















偏頭痛。







これが時々、俺に歯をむいて来るようになったのは何時からだったか。







たぶん、俺があの人…自分の父親を、殺してからだったと思う。

あの時はまだ、人を殺したという事実を認めたくなくて、

けれど、反面、殺人を喜ぶ自分がいて、

すごく、追い詰められた時期だった。






息が苦しくなってから、






頭が痛くなって、






そう、夜に殺されそうになるんだ。
























ぐらりと、視界が揺れた。

















それと同時に、


















俺は意識が飛んだ。











































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はい、9発目水無月でしたぁ。

大分、間が開いちゃったけど…そんでもって突発書きだったけど…

妄想家にはつきものだよね!(ぇ








05/08/29